塗装工の仕事内容って実際どう?未経験者が知っておくべき現場のリアル

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塗装工と聞いて、まず思い浮かぶのは「ローラーで壁を塗っている姿」かもしれません。確かにそれも仕事の一部ですが、実際にはもっと幅広く、奥の深い仕事です。外壁や屋根の塗装に加えて、室内の壁や家具の塗装まで手がけることもあり、扱う素材や環境によって必要な技術も変わってきます。


たとえば屋根塗装では高所作業が求められ、内装では色味や質感の繊細な調整が重視されます。塗料の種類も豊富で、遮熱性や防水性など、目的に応じた選定が必要です。「ただ塗る」だけでなく、下地の状態確認や補修、塗料の調合といった作業も重要な工程に含まれます。


未経験の方にとっては、「思っていたより複雑なんだな」と感じるかもしれません。でも、それだけに仕事の奥行きがあり、経験を重ねるほど面白みも増していきます。まずは、この仕事の全体像を少しずつ掴んでいくことが、はじめの一歩になります。




1日の流れから見える、塗装工の仕事の全体像

塗装工の1日は、現場によって多少の違いはあるものの、基本的な流れは共通しています。朝は現場に直行し、8時頃には作業が始まるのが一般的です。まずは道具の準備と、その日の作業範囲の確認からスタートします。塗装作業に入る前には、必ず「養生(ようじょう)」と呼ばれる準備が必要です。これは塗らない部分をテープやシートで丁寧に覆う作業で、仕上がりの美しさや安全性を左右する重要な工程です。


その後、下地処理を行います。古い塗膜の除去やひび割れの補修、サビ止めなど、塗装前の状態を整える作業です。この段階をおろそかにすると、どんなに良い塗料を使っても早期に剥がれてしまいます。実は、実際に「塗る」工程は全体の作業の半分以下という現場も少なくありません。


午前と午後に1回ずつ小休憩を挟み、昼休憩を1時間程度取ります。午後も同様に塗装や仕上げ作業を進め、最後に現場の清掃と道具の片づけをして、16〜17時頃には作業終了となります。天候に左右される仕事でもあるため、雨天の日は現場が休みになることもあります。


このように、塗装工の仕事は単なる「色を塗る」だけではなく、準備と後片づけも含めた工程全体を理解することが大切です。現場の一日を知ることで、仕事のリズムや注意すべき点も少しずつ見えてくるはずです。




未経験者がまず覚える作業とは?

塗装工として働き始めたばかりの人が、いきなり壁や屋根を塗ることはありません。最初に任されるのは、道具の準備や片づけ、現場の掃除、そして「養生(ようじょう)」です。たとえば養生テープをまっすぐ貼る、マスカーという道具を使って窓や床を保護する。こうした一見地味な作業が、実は現場の完成度を大きく左右します。


次に覚えるのは、刷毛やローラーの使い方ではなく、それを洗って管理すること。塗装に使った道具はその日のうちに丁寧に洗わないと、次の日には使えなくなってしまいます。塗料が固まる前に、正しい手順で素早く洗う——これは職人としての基本動作であり、現場で信頼を得る最初のステップになります。


また、現場ごとに使う塗料や道具が異なるため、職人の動きを観察しながら、どんな材料をどの順番で使っているかをメモしておくと学びが深まります。未経験のうちは「とにかく見て覚える」部分が多く、何を質問すればいいかすら分からない状態かもしれません。けれども、塗装は段階的に身につけていく仕事です。最初は“塗らない仕事”を通じて、現場全体の流れや、段取りの重要性を理解していくことが求められます。


この基礎がしっかり身につけば、いずれは実際の塗装作業にも参加できるようになります。「早く塗ってみたい」と焦る気持ちもあるかもしれませんが、下積み時代の積み重ねが、のちの技術力を支える土台になるのです。




塗装工のやりがいと、ぶつかりやすい壁

塗装工という仕事には、目に見える「成果」があります。たとえば、くすんでいた外壁が新品のように生まれ変わる。木部に塗料を重ねることで、素材の風合いが引き立つ。作業が終わった後に、明確な「完成」が残るというのは、大きなやりがいのひとつです。中には、自分の手がけた建物の前を通るたびに、少し誇らしい気持ちになるという職人もいます。


また、同じ現場は二つとなく、建物の材質や塗料、天気や気温によって毎回の作業内容が少しずつ変わるため、経験を積むほど「自分の判断」が求められる場面が増えてきます。最初は先輩の指示を受けながらですが、徐々に一人ひとりが現場で責任を持って動けるようになる。それが技術職の醍醐味でもあります。


一方で、誰にとっても「きつい」と感じる瞬間はあります。夏場の高所作業は特に体力を消耗しますし、塗料のにおいや、狭い場所での作業に慣れるには時間がかかるかもしれません。また、下積みの期間中は、塗装以外の作業に多くの時間を割くため、モチベーションの維持が難しいと感じる人もいます。


それでも、多くの人が続けていく理由は「手に職がつく」ことへの実感です。現場での小さな成功体験が積み重なることで、自信が芽生え、やりがいへと変わっていきます。肉体的にも精神的にも楽な仕事ではありませんが、それだけに成長の手応えは確かなものです。




資格やキャリアアップの道もある

塗装工の世界には、技術を「見える形」で証明するための資格があります。なかでも代表的なのが「塗装技能士」です。これは国家資格で、3級から始まり、現場経験を積むことで2級、1級へとステップアップしていきます。1級塗装技能士ともなれば、仕事の幅が広がるだけでなく、他社や元請からの信頼も大きくなり、将来的に独立を目指す場合にも強い武器になります。


また、意外かもしれませんが、塗装と建築設計の知識は深く関係しています。たとえば建物の構造によって塗料の選び方や施工方法が変わることもあり、建築士の資格を持つ職人が、設計と施工をつなぐ橋渡し役になるケースもあります。実際、株式会社グラフトでは代表者が「一級塗装技能士」と「二級建築士」の両方を取得しており、技術と建築知識を掛け合わせた提案力に強みを持っています。


未経験からでも、段階を踏めばキャリアの選択肢は広がっていきます。現場で腕を磨きながら資格を取得し、リーダー職へ進む。あるいは、提案営業や施工管理へと役割を変える。現場の経験があるからこそ、お客様の悩みに的確に応えられる立場にもなれるのです。


「いつか自分の現場を持ちたい」「人を育てる立場になりたい」と思ったとき、今の一歩がその土台になります。株式会社グラフトでも、未経験から始めて成長してきた先輩が多く活躍しています。興味を持った方は、採用ページからぜひ詳細を確認してみてください。

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まずは「現場を知る」ことが一歩目になる

塗装工の仕事は、見た目以上に多くの技術と準備が求められる職種です。最初は道具の名前もわからず、現場の流れに戸惑うこともあるでしょう。でも、どんな職人も最初はそこから始まります。段取りの意味を理解し、塗料の扱いに慣れ、少しずつ手を動かせるようになる——その積み重ねが、自分の技術となっていきます。


向き不向きを判断するのは、その経験をしてからでも遅くありません。気になることがあれば、実際に現場を見たり、働いている人の声を聞いたりするだけでも、見えてくるものは変わります。現場の空気に触れることで、自分がこの世界に踏み込めるかどうか、少しずつ輪郭がはっきりしてくるはずです。


もし具体的な疑問や不安があれば、問い合わせフォームから相談することもできます。

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