これから塗装の仕事を始めようとしている方や、現場に入りたての方は、先輩たちが「調色(ちょうしょく)しといて」「色がまだ合わんなぁ」と話しているのを耳にすることがあるかもしれません。
「ペンキなんて、缶に入っている色をそのまま塗ればいいんじゃないの?」
そう思うのも無理はありません。しかし、実はこの「調色」こそが、塗装職人の腕の見せ所であり、この仕事の中で最もクリエイティブで面白い作業の一つなのです。この記事では、未経験の方に向けて、現場の専門用語「調色」の意味と、なぜ職人たちが真剣な眼差しでペンキを混ぜ合わせているのか、その奥深い世界をご紹介します。
【目次】
- 現場でよく聞く「調色」とは?図工の時間と同じ原理
- なぜ色を作る必要がある?「既製品」ではダメな理由
- 色がピタリと消える快感。これが塗装屋の醍醐味
- センスは不要?「一級塗装技能士」が教える技術の習得
- 世界に一つの色を作る。株式会社グラフトで職人を目指そう
■ 現場でよく聞く「調色」とは?図工の時間と同じ原理
・ 複数の色を混ぜて「狙った色」を作る作業
一言で言えば、調色とは「塗料を混ぜ合わせて、必要な色を現場で作ること」です。
皆さんも小学生の頃、図工の授業で絵の具を使った経験があると思います。「緑」が手元になければ、「青」と「黄色」を混ぜて作りましたよね? そして、もっと濃い緑にしたければ「黒」を少し足し、明るくしたければ「白」や「黄色」を足したはずです。
塗装屋が現場で行っている調色も、基本的にはこれと同じです。赤、青、黄、黒、白といった原色の塗料(これを現場では「原色」や「着色剤」と呼びます)を、ベースとなる塗料に少しずつ加えながら、目の前の建物に最適な色を作り出していきます。
ただ、絵の具と違うのは、その精度です。ほんの数滴の違いで色がガラリと変わってしまうため、職人は0.1グラム単位の感覚で色を調整しています。まさに現場で行う「化学実験」や「料理の味付け」のような繊細な作業なのです。
・ そもそも「調色」ってなんて読むの?
読み方は「ちょうしょく」です。「色(いろ)を調(ととの)える」と書く通り、単に色を作るだけでなく、周りの環境や建物の雰囲気に合わせて、違和感のない色に微調整するという意味も込められています。現場によっては「色合わせ」と呼ばれることもありますが、同じ作業を指しています。
■ なぜ色を作る必要がある?「既製品」ではダメな理由
・ 建物は生き物。カタログの色だけでは対応できない
「メーカーが作っているカタログ通りの色を塗れば楽なのに」と思うかもしれません。もちろん、建物を丸ごと塗り替える場合などは、メーカー工場で作られた指定の色(調色済みの塗料)を使うこともあります。
しかし、リフォームや改修工事の現場では、そうはいかないケースが多々あります。
例えば、10年前に塗られた外壁の一部を補修する場合を想像してみてください。新築時の色がわかっていたとしても、実際の壁は10年間の紫外線や雨風で日焼けし、色が微妙に変化(退色)しています。そこに、新築時と同じピカピカの色の塗料を塗ったらどうなるでしょうか?
そこだけ色が浮いてしまい、「あ、ここ直しましたね」と丸わかりのツギハギだらけの壁になってしまいます。
・ 現地の「今の色」に合わせるのがプロの仕事
だからこそ、職人が現場で色を作る必要があるのです。
「少し日焼けして黄色っぽくなっているから、黄色を足そう」
「雨だれで少し黒ずんでいるから、あえて彩度(鮮やかさ)を落とそう」
このように、現地の壁の状態を観察し、その場の「現在の色」を完璧に再現することで、補修した跡が全くわからない美しい仕上がりを実現します。これは、機械やAIには判断できない、人間の目と手だけができる職人技なのです。
■ 色がピタリと消える快感。これが塗装屋の醍醐味

・ 塗った瞬間に境目がなくなる魔法
調色の仕事をしていて最も気持ちいい瞬間、それは「色が合った時」です。
何度も微調整を繰り返し、「これだ!」と思う色ができあがると、実際に壁に試し塗りをします。その時、塗った塗料が乾いていくにつれて、元の壁の色と完全に同化し、どこを塗ったのか自分でも見分けがつかなくなる瞬間があります。
業界用語で「色が止まる」「色が消える」などと言ったりしますが、この瞬間は何度味わっても鳥肌が立つほどの快感です。まるで魔法使いにでもなったような気分を味わえます。
・ お客様からの「えっ、どこ直したの?」が最高の褒め言葉
お客様に仕上がりを確認してもらう際、「ここを直しました」と指差しても、「えっ?全然わからない!すごい!」と驚かれることがあります。
塗装屋にとって、これ以上の褒め言葉はありません。自分の作った色が、お客様の建物を元通りにし、喜んでもらえる。ただ決められた作業をこなすだけでなく、自分の感性と技術で「正解」を導き出す面白さが、調色には詰まっています。
■ センスは不要?「一級塗装技能士」が教える技術の習得

・ 「色のセンスがない」と諦める必要はありません
「自分には美術のセンスがないから無理かも…」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、安心してください。現場で求められる調色の技術に、生まれ持った芸術的センスはそれほど重要ではありません。
なぜなら、調色は「感覚」ではなく「理論」だからです。
「この色を暗くするには黒を入れる」「鮮やかさを抑えるには補色(反対の色)を少し混ぜる」といった、明確なルールが存在します。料理で言えば、「しょっぱすぎるから水を足す」「甘みが足りないから砂糖を入れる」というのと同じくらい、ロジカルな作業です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、先輩に法則を教わり、回数を重ねていけば、誰でも必ず思った通りの色が作れるようになります。
・ 国家資格の試験科目にもなっている「正解のある技術」
調色が「なんとなくの感覚」ではない証拠に、塗装職人の最高峰資格である「一級塗装技能士」の実技試験には、この調色の課題が含まれています。
試験では、当日指定された色見本に合わせて、制限時間内に正確な色を作ることが求められます。もし感覚だけで行う作業なら、試験として成立しません。正しい手順、塗料の配合比率、色の見方さえ学べば、誰でも合格できる(=プロとして通用する)技術だという証明です。
つまり、調色は「才能がある人だけの特権」ではなく、「努力して身につけられる一生モノのスキル」なのです。
■ 世界に一つの色を作る。株式会社グラフトで職人を目指そう

・ 「グラフト(接ぎ木)」の名前通り、建物に馴染む仕事を
私たち株式会社グラフトの社名には、「接ぎ木(Graft)」という意味があります。植物の枝を別の木につなぎ合わせるように、既存の建物に新しい価値を付加し、自然に馴染ませる。そんな仕事を大切にしています。
今回ご紹介した「調色」は、まさに私たちの理念を体現する作業です。古くなった建物に、新しい塗料で命を吹き込み、違和感なく美しく仕上げる。その技術を次世代に継承していくことが、私たちの使命だと考えています。だからこそ、これから入社してくれるあなたには、単に塗るだけの作業員ではなく、色を自在に操る「職人(クラフトマン)」になってほしいと願っています。
・ 未経験からでも、代表自ら「調色のロジック」を教えます
グラフトの代表は、「一級塗装技能士」と「二級建築士」のダブルライセンスを持つ、技術と知識のプロフェッショナルです。
未経験の方には、道具の使い方や養生の仕方といった基礎はもちろん、今回お話しした調色のテクニックについても、感覚論ではなく理論立てて丁寧に指導します。
- 資格取得支援制度(費用全額会社負担)
- 必要な道具の支給・貸出
- 社会保険完備、賞与年2回
- 日給12,000円〜(月収例:未経験でも安定して稼げます)
最初から完璧にできる人はいません。現場で少しずつ塗料に触れ、「あ、この色を入れるとこう変わるんだ」という発見を楽しんでください。グラフトは、そんなあなたの知的好奇心と成長を全力でバックアップします。
■ クリエイティブな職人になりたいなら、まずは現場へ
・ あなたの手で、街の景色を彩る面白さ
「ペンキを混ぜるのが面白そう」「色が合う瞬間の快感を味わってみたい」
そんな興味が少しでも湧いたなら、あなたはもう塗装職人の素質十分です。プラモデル作りが好きだった人、図工の時間が楽しみだった人、DIYに興味がある人。そんな「ものづくりが好き」な仲間が、グラフトには集まっています。
AIにもロボットにも奪われない、あなたの目と手だけが頼りの「調色」という技術。それを身につければ、この先どんな時代になっても、必要とされる職人として生きていけます。
まずは一度、私たちの現場を見に来ませんか? 面接という堅苦しい形だけでなく、フランクにお話しすることも可能です。あなたにお会いできるのを楽しみにしています。

